Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
Lesen Sie 少年科学探偵 (こさかいふぼくしゅうはしがき) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.885 Zeichen · 308 Bildschirme
魚を携えて近寄らぬかぎり、留吉はけっして村人に害を加えませんでしたし、また、別に性の悪いいたずらもしませんでしたから、村人はどちらかというと、彼の薄運に同情しておりますが、さりとて誰一人彼を可愛がるものはありません。
しかしながら彼は、村人に可愛がられない代わりにその母親によってこの上もなく可愛がられました。彼の父は彼の七歳のとき病死しましたので、母親は一人っ子の留吉を杖とも柱とも思いましたが、留吉は母親の強烈な慈愛をも、まるで感じないかのように暮らしました。
「わたしが死んだら、留吉はどうなるだろう。けっして私は留吉より先へ死んではならぬ」というのが、ことし四十五歳になる母親お豊の平素の願望でありました。家には相当の財産もあって、女中や作男は置きませんでしたが、村の人に田を作らせて取る年貢米は、母子二人の生活を支えるに十分でありましたから、瓦葺きのこじんまりした家に、二人は比較的平和な日を送っていたのでありました。
ところが、母親お豊の平素の願望は、今より二週間ほど前、彼女の非業の死によって微塵に砕かれました。すなわち、ある夜、彼女の家に何者かがしのび入って、彼女を、絞殺し去ったからであります。