Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
「浪岡を自分の乗り馬にするつもりなのかな? 浪岡なら、乗り馬としちゃ最上の馬だからなあ。まったく、この牧場の中でももっとも値段の出ている馬だし、調教を少しつければ、それだけでもう浪岡は貴族階級の乗り馬だよ」
「それを正勝の野郎に勝手にさせておくなんて、そんな馬鹿なことはねえ! 敬二郎さん! おれが引っ張ってくるから、あなたからぐっと差し止めなせえよ。それで、あの野郎があなたの言うことを聞かなかったら、そのときゃあおれらが黙ってねえから」
「それじゃ、とにかく差し止めてみよう」
「それじゃ、みんなは厩舎の前へ行って、あそこで待っていてくれ。すぐ引っ張ってくるから」
平吾はそう言って長靴をぎゅっぎゅっと鳴らしながら、戸外へ出ていった。
2
平吾は栗毛の馬に乗って、放牧場の枯草の中を一直線に駆けていった。
正勝は浪岡にを踏ませて、楡の木のある斜面を雑木林の谷のほうへ下りてくるところだった。右手には猟銃を持って、手綱は左手で捌いていた。正勝はそして、木の枝に鳥を探りながら、平吾がすぐその近くへ行くまで知らずにいた。
「正勝ちゃんよう!」
平吾は馬の上から声をかけた。