Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
敬二郎のその言葉の中には、どことなく怨情をさえ含んできていた。
「それで、敬さんまでそんな風に思っているの?」
「別にそう思うわけではないが、ぼくにだって葉書の一枚ぐらいは寄越しても……」
「敬さん! わたしが正勝に手紙や電報を出したのは、そんなわけではないのよ。かりにそれが過失……正当防衛にもしろ、正勝のただ一人の妹を殺したのはこのわたしなんだから、わたし、正勝になんとなく済まない気がするわ。済まない気がして、正勝にはできるだけのことはしてやりたいと思うのよ。誤解されちゃ困るわ」
「別に誤解はしないがね。しかし、その済まないという気持ちはどうかすると、危険なものになりゃしないかと思うんだがね。すでにもう、正勝の奴は紀久ちゃんのその気持ちを履き違えているようだから」
「そんなことないと思うわ。そんな馬鹿なこと、決してないと思うわ。それだけは、わたしはっきりしておくわ。そして、お蔦に対する詫びの気持ちから正勝のほうへできるだけのことをしてやりたいわ」
紀久子は胸を弾ませながら言った。
「それには、やはりぼくたちが早く結婚をしてしまわなくちゃいけないね」
「そうかしら? わたしはそうは思わないわ。