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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

「それじゃ、お嬢さまは敬二郎さんがいやになって、正勝さんと一緒になるつもりでねえのかね?」

彦助爺が言った。

「そんなことはおれの知ったことじゃねえ。論より証拠だ、とにかく、持ってくるか持ってこねえか、見ていれば分かるさ」

「いったい、その手紙っての、どんな風に書くんだね?」

喜代治がそう言ってテーブルの上の白樺の皮を覗き込むと、開墾地の人たちはいっせいに炉端を離れて、テーブルの周囲を囲んだ。

「手紙か? 普通の手紙だよ。まず――拝啓と書いてな」

正勝はその文句を言いながら顫える指先を固く握り締めて、白樺の皮の上へ無造作に書きはじめた。

「それから――ただいま吾助茶屋にて金子入用のこと相起こり申し候――ということにして。そして――はなはだ恐縮ながら――とまあ、少し敬意を表しておいて、そして――さっそく五百円ばかりご用意なされ、おまえさまご自身にてお越しくだされたく候――。爺さん! これをだれかに持たせてやってくれないか?」

正勝はそう言って、吾助爺のほうへ声をかけた。吾助爺はすると、盆に徳利を載せて炉端のテーブルへ寄ってきた。正勝は白樺の皮をくるくるとするめのように巻いて爺に渡した。