Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくまのかお

悪魔の顔

野村 胡堂

Lesen Sie 悪魔の顔 (あくまのかお) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.677 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

此調子では、芦名兵三郎に対する疑いは深まるばかりですが、本人もそれを意識し乍ら、何うする事も出来ないと言った様子です。

「あの日、石井関子が殺された時刻――丁度午後二時と三時の間だ――お前は何処に居た」

「銀座を散歩して居ました」

「誰かに逢わなかったか」

「逢ったような記憶はありません」

何んと言うたより無さでしょう、これでは不在証明も持って居ないことになります。

芦名兵三郎は其まま、留置されてしまいました。

一方花房一郎は、関子の刺された現場を一応調べてから、直ぐ石井家へ引返して、暫らく自由に調べて見度いから、当分泊り込むかも知れないと言い出しました。未亡人の濤子は、それを拒む理由もないので、

「どうぞ御自由に」

と承諾しました。が、何んか腑に落ちないところがある様子で、あまり口もききません。美保子は、花房一郎に恩があるので、何くれとなく世話を焼き、美保子の機嫌ばかり心配して居るような田庄平も、それにつき合って、何くれと花房一郎に好意を示しました。

それから二三日たった或日の午後、千種十次郎が石井家へ訪ねて行くと、花房一郎は切りに家の外廓を廻って、土台や、窓口、塀などを調べて居ります。