Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのかお
悪魔の顔
野村 胡堂
Lesen Sie 悪魔の顔 (あくまのかお) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.677 Zeichen · 29 Bildschirme
第二の犠牲者
のです。
こんな事がわかると、世の中は面白がって尾鰭を付けます。それに、立役者の関子が、竹屋デパートで、マネキンをやって居ると判ったからたまりません。この記事が写真入りで新聞に出ると、竹屋デパートは、物好きな客で押すな押すなと言う騒ぎ、五階の「御婚礼道具一式の陳列場」に、西洋風の花嫁の装いで白の羅物を着て立って居る、神々しいばかり美しい関子の前は、毎日毎日見物の黒山を築く騒ぎです。
さすがの関子も驚いて、マネキンを止し度いと言い出しましたが、此人気に有頂天になった竹屋デパートの支配人は、契約の期限を楯にどうしても聴いてくれません、その代り給料は望み次第と大きく出ます。
第二の犠牲者
「あの女が関子と言うんだとよ」
「成程大変なシャンだ」
「殺された石井馨之助の娘だぜ」
「フーム」
「オイオイ前の方は帽子を取ってくれ」
「後ろは拝めねえぜ」
こんな騒ぎが、マネキンの出る時間に幾度も幾度も繰り返します。
恐ろしく贅沢な婚礼道具を一面に飾り立てた中に、白い羅物に包まれた関子は、午前一時間、午後一時間、人形のように立つのですが、あまりの凄まじい人気で、群集が雪崩れ込む心配があるので、前へ夥しい婚礼の調度を置き、後ろへ一段高く台を作って、境の白い幕に背をピタリと付けるように立って居るのでした。