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Japanische Klassiker mit Furigana

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あくまのかお

悪魔の顔

野村 胡堂

Lesen Sie 悪魔の顔 (あくまのかお) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.677 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

亜砒酸中毒

それでも残り惜しそうに、娘の美保子に伴われて寝室に退きます。

こんな事には馴れて居るものと見えて、一座の人達は別に不思議に思う様子もありません。年取った主人の存在は、若い者勝ちなこの座には何うでもよかったのでしょう。

唯、娘の後姿を追う田庄平の眼が、不思議な情熱に燃えて居るのを、千種十次郎は見落しませんでした。内気な動物学者の眼にも、あの可憐な娘の姿が、決して無意味には映って居なかったようです。

亜砒酸中毒

石井邸の晩餐会のプログラムは、それから後で本筋に入るのでした。男客と女客との隔ては撤回されて、遊戯と談話が、年齢も時間も超越して、夜と共に取り交されるのでした。

女盛りの豊満な美しさに溢るる石井夫人は、一座の女主人として本当に打って付けでした。話題が豊富で、大胆で、少し悪魔的でウイットがあって、それで滅法界美しいのですから、雑談と舞踏を中心とする一座の女王には、こんな適任者は滅多にありません。一座の空気が次第に濃厚になると、一番調子づくのは芦名兵三郎で、この男の柄は、不思議なほど浮滑りな空気にピタリとはまります。その間に田庄平だけはヒドく迷惑そうで、脅かされた野兎のように、隅っこの方に小さくなって、爪を噛み乍ら歓楽の渦を眺めて居ります。