Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あくまのかお
悪魔の顔
野村 胡堂
Lesen Sie 悪魔の顔 (あくまのかお) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.677 Zeichen · 29 Bildschirme
悪魔の姿
「君は?」
「僕も一度帰る、花房一郎が此家に居ては、魚は網にかからない」
花房一郎は斯う言い捨てて、後ろも振り向かずに歩み去りました。
生垣の穴を一体幾つ探す気でしょう。
悪魔の姿
その晩、二時頃、奥から恐ろしい物音が聞えました。爺やの室で片唾を呑んで居た千種は、真っ直ぐに廊下へ飛出して、二つずつ階段を飛上ると、
「此処だ此処だ千種君」
花房一郎の声が、思いもよらぬ美保子の室から聞えます。扉を押して、懐中電灯の光りと一緒に飛込むと、花房一郎は何やら床の上へ押え付けて、
「サア、これが犯人だ、悪魔の顔を見給え」
と懐中電灯の光の中へ、組み伏せた殺人鬼の顔をさらしました。
「アッ、田――」
花房の膝の下に敷かれて、醜怪な怒と失望に燃えて居るのは、あの、臆病で内気で病身な、田庄平の顔に相違ありませんが、日頃の憂鬱な優し気な表情などは何処にもありません。本当に、それは花房一郎が言う通り悪魔の顔です。
「とうとう網にかかったよ、恐ろしい魚だ」
未亡人も、爺やも、美保子も、事情を察して飛んで来たものと見えて、廊下に固まって、顫え乍ら、部屋の中を覗いて居ります。
「もう大丈夫」