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Japanische Klassiker mit Furigana

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あくまのかお

悪魔の顔

野村 胡堂

Lesen Sie 悪魔の顔 (あくまのかお) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.677 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

嫌疑は美保子に

「で、容態は?」

「非常に悪い、亜砒酸は大抵吐いてしまったが、心臓が弱いから――多分――」

酒井博士はソッと千種の耳に囁いて眉をひそめました。

嫌疑は美保子に

顔馴染の酒井博士は、相手を無闇に書き度がる新聞記者でないと知って、これだけの事を説明してくれました。

寝台を隠すように引いたカーテンの裏には、半死半生の主人石井馨之助が横たわって、派手な夫人の濤子と、淋しい娘の美保子と、すっかり面喰ってしまった甥の庄平とが、一生懸命看護に骨を折って居る様子が手に取るように判ります。

折から玄関の方に自動車の音、やがて多数の足音が、ドヤドヤと敷台にかかった様子です。

「警官が来たらしい、千種君は遠慮した方が宜いだろう」

「…………」

千種十次郎は、黙って引下るより外はありませんでした。入れ違いに所轄署から来た、警察医と警官の一行、これも黙々として寝室へ入って行きます。

「どうでした千種さん、矢張り他殺でしょう」

と顔を出す小西老人、その背後から、芦名兵三郎の青い顔が神経質に覗いて居ります。

「……らしい」

「で、下手人は?」

小西老人は年配柄、こんな古風な言葉を使いますが、四方の空気が緊張して居るので、それも別に可笑しくありません。