Japanische Klassiker mit Furigana
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せいだんつきのかがみ
政談月の鏡
三遊亭 円朝
Lesen Sie 政談月の鏡 (せいだんつきのかがみ) von 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.603 Zeichen · 108 Bildschirme
十
藤「お……恐れ入りました」
甲「筆其の方は見ず知らずの者より大金を貰い受け、紙を披いて見たら多分の金子が有ったなら、早々町役人同道にて上へ訴え出なければならん処を、隠し置いて其の金を使いしは不届至極で有る、けれども其の日/\に差迫って、明日は父に米を買って与える事も出来ぬ処から、其の金子を以て米薪に代えて父を救った其の孝心に依て父を思う処から、悪い事とも心附かず迂濶り其の金を使い是から家主と相談の上で訴え出ようと云う心得で有ったが、其の中に勘次郎という者が其の方の手許に金子の有る事を知って盗み取ったが、全く訴え出ようと心得て居る内に其の金を取られたので有ろうな」
とお慈悲な事でございます。
十
お筆は漸々顔を上げまして、
筆「はい左様で」
甲「何うじゃ町役人」
藤「全くは是から訴えようと内々下話もございましたので、処を盗み取られましたんで」
甲「これ下話が有ったら何故訴えぬ」
藤「いえ是から下話を致そうかと考えて居りましたんで」
甲「なんだ、筆なる者は罪もなく殊に孝心な者故助け度いとて訴え出でたる幸十郎は最と神妙の至りで有る、筆儀は咎も申し付けべき処なれども、其の親孝心に愛でゝ上に於ても格別の思召を以て此のまゝ免し遣わす、立ちませえ」