Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
ふと、ころがッている足もとの酒桶を、つくづくと見すえて、
「……はてさて、貴さまも空ッぽになってみるとつまらんやつだな。智深和尚の引導を、せめてこの世の冥加と思えや。喝ッ」
と、麓へ向って二つとも蹴放った。一個は空天に躍って森へ沈み、一個はすぐ下にいた牛の群れの中に落ちた。びっくりした牛が跳び別れて、やがて後から、のろまな啼き声が長く聞えた。智深は手をたたいてうち笑い、蹌々踉々、どろんこになって、ほどなく五台山へもどってきた。
「ちイ、このなめくじ野郎め、な、な、なんでこの魯智深を、通さんとぬかすのか」
「とんでもない仏弟子だ。こら智深、ここは山門だぞ、山門だぞよ」
「なアるほど、文殊院五台山の山門らしい」
「葷酒山門ニ入ルヲ許サズ。とそこにそんな大きな制札も立ってある。もし破戒飲酒の僧あらば、青竹で四十打ッ叩いて寺域追放の掟だぞ」
「おもしれえ。ちょうど按摩代りになる。おい番僧、いっちょうやってくれい」
ところへ、騒ぎを聞きつけて、監寺、提点、蔵主、浴主などの役僧などから、工事場の諸職まで、まっ黒になって様子を見にきた。たちまち門の番僧らと一つになって、
「やあ言語道断。