Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

隣で売る和合湯の魂胆に、簾もうごく罌粟の花の性の事

兵隊仲間における都頭(伍長)武松は、いたって人気者だった。威張らない。規則ずくめで縛らない。わかってくれる。

「伍長、知事がお呼びですぜ」

「おれか。……おやおや、こないだ貴様たちが酒場で喧嘩したのがバレたのかもしれないぞ。また俺の黒星だ」

ほどなく、彼は知事室で直立していた。

「まあ、かけ給え」と、知事はおっとりと構えこんでいう。やがて公用筥から一書類とともに、もう出来ていた辞令を取出して、武松に命じた。

「たいへんご苦労だがな、従兵一小隊をつれて、急に開封東京まで行ってもらいたいのだ。この公文を殿帥府までお届けすればよい。そして、もう一つついでに、わしの親戚の家へ、一ト行李の財宝を送り届けて欲しいのだが」

「出立はいつですか」

「明後日、立ってくれ。何しろ遠隔だし、知っての通り途中の山海には賊の出没もまま聞くところだ。で、君を見込んでやるのだから、しっかり頼む」

「見込んでと仰っしゃられたんじゃ、否やもありません。承知しました」

次の日である。武松は旅の具などを買い漁りに街へ出ていた。出張旅費もたっぷり懐中にあった。兄の好きな物などがやたらに目につく。

兄の家へはあれきり足ぶみしていない。