Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

牢番役の鉄叫子の楽和、おばさん飲屋を訪ねてゆく事

「おい、解の兄弟――」と毛旦那はくたびれ顔をしぶらせて。

「どこにも虎の死骸などはころがっていないじゃないか。他山だろう。大迷惑だナ、当家にとっては」

「いやそんなはずはございません。この上の高原で罠にかけ、罠を引っ外して逃げる虎を、たしかに一本は狙いたがわず毒矢を射当てていたんですから」

「だって見えまい。見当らんものはどうしようもない」

「旦那。お待ちなすって。……ちょっとここをごらんなすっておくんなさい。滴々と血がこぼれていますぜ。オオ上の方から崖の灌木や草までが折れなびいている。毒矢を負った虎はここへころげ落ちて来たにちげえねえ」

「ふざけちゃいけないよ。野獣猛禽、何が咬み合った血やら知れたもんじゃない。おまえ方は朝ッぱらからわしの家へ因縁をつけに来たのかよ」

「とんでもない。そんな道楽半分の騒ぎじゃござんせん。こちとは命がけです。今日のうちに登州のお奉行所へ虎をさし出さなければお布令どおりの厳罰ッてことは、旦那もこの村の庄屋ならご存知のはずでございましょうに」

とかく言い争ってみたが、前とは打って変って毛旦那は解の兄弟の言いがかりだと言い張って相手にしない。