Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
――これもまた、李逵の内心ではヘソ茶ものだった。「行ってみれば分るだろう。分った上は、公孫勝もいやとはいえめえ、知らぬ仏だ」と、あとに尾いて行きながら独りひそかに舌を出していたものだった。
やがて、紫虚観をくぐる。訪鉦を鳴らすこと三打。青衣の童子がひとり出て来て、来意を問う。待つことしばし、ふたたび現れて。
「どうぞ、更衣亭で、おきものや手をお浄めください。そして、いつもの長い廊を、ずっとお通りあるように」
李逵はセセラ笑った。が、なお白ばッくれて、更衣亭でかたのごとき身浄をした後、二人のあとに尾いて廊を進んで行くと、彼方からまたも一人の童子が見え、一清と話していた。
「もし、侍童さん。お師匠さまは、いつもの松鶴軒ですか」
「ええ、お椅子に倚って、しずかに、皆さんをお待ちになっていらっしゃいます」
「今日は、ごきげんは」
「おかわりもございません。はやくおいでなされませ」
青衣の童子は、そう告げて、李逵のそばをスレちがった。李逵がしんそこ、ぎょッとしたのはその一瞬であった。童子がニコと笑ったのである。その顔が、いやその首が、ゆうべ斧にかけたあのせつなの童子とまったくおなじなのだった。