Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「御物の燈籠をささげて、殿司寮の者、お鍵番の者、粗相なきよう、これへ出ませい!」
おーと、これもはるか遠くの返辞。やがてのこと。螺鈿櫃を抱えた宮廷人と見える者と、紅錦の袋に入れた鍵を持った鍵番とが、一歩一歩、つつしみぶかく、そこへ来て、奉行の賀の前で、その蓋をはらった。
さんぜん、眼もくらむばかりな八角燈籠があらわれた。地金すべて、黄金なのはいうまでもない。迦陵頻迦のすかし彫である。蓮の花は白金だし翠葉は青金だった。万花の彩りには、琥珀、さんご、真珠をちりばめ、瓔珞には七ツの小さい金鈴と、数珠宝珠をさげるなど、妙巧の精緻、ただ見恍れるのほか、ことばもない。
「げに、ありがたき聖徳にござりまする。かく近々と、拝させていただき、奉行の身にとりましても」
「冥加と思われるか」
「ただただ、かたじけなく」
「しかるに」と、宋江がことばをかえた。「なにゆえ、勅使のお迎えを怠ったか」
「ふしぎや、何の伝令も、城内へございませんでしたので。……どうも腑におちかねまする」
「ふしぎとは何事。ただいま、中書省の公文、恩賜の燈籠、あわせ見て、一点の疑義でもあるか」
「おそれながら、ただひとつ」