Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「あぶない、あぶない。いつのまにそんな大敵国が出来ていたのか」
「曾頭市はだいぶ遠地だが、しかし捨ててはおかれまい。いまのうちに、こっちから行って禍根を絶ッてしまわぬことには」
衆議、異口同音に、そうなったのは、もちろんである。
すると、首席から立上がった総統の晁蓋は、宋江の方を見て言った。
「宋先生、毎度毎度、出勢の日には、あなたにばかり戦野のご苦労をわずらわしてきた。しかしこんどこそは、この晁蓋が陣頭に立ってゆきます。どうか今回は留守をおねがい申す」
「なにを仰っしゃる」と、宋江も立って、言をさえぎった。
「――いちいちの戦に、総統自身が出ることはありません。あなたは水滸のおあるじだ。このたびもまた、この宋江と軍師呉用とに、お任せおきあらばよいでしょう」
「いやいや、心ならずも総統の首席にのぼって以来、ただの一ぺんも、自分は戦場に出たことはない。――何も決してあなた方と功を争うわけではないが、余りに何か心ぐるしい。どうかこんどはこのほうの意志を通させてもらいたい」
人々も止めたが、晁蓋は何といってもきかなかった。ぜひなく宋江もついに譲った。――晁蓋は大いによろこんで、みずから二十名の部将をえらび、五千の兵を動員して、その朝、水滸の宛子城を立ちかけた。