Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
もし、過ちにせよここを開けば、窟中の魔王は、時をえたりと、人界へ躍りでて、世路のみだれは申すもおろか、人間の智恵、内臓のうちにまで潜んで、長く取り返しもつくまいぞ、といわれておりまする。……されば、道法九代の間、また私も、住山三十年にもなりますが、かつてただの一度も、ここの鉄錠に手をかけたためしなど、見たことはありません」
「だからこそだ。そう聞けば、なお内部へ入ってみたい」
「そ、それは、余りにも、ご無態と申すもので」
「なにが、無態だ。なんじらの馬鹿げた迷妄を、儂の勇をもって、醒ましてくるるのがなんで無態か。鍛冶を呼んで、鎖を切らせろ」
「どうか、その儀だけは、おゆるしを」
「ならん。いなやをいうなら、朝廷に奏聞して、魔霊を祠るものと、公にするぞ。なんじら、数珠つなぎとなって、上饒江の河原に、さらし首を、ならべたいのか」
言い出しては、決して、言をひるがえす洪大将ではない。都城の衛府で、部下をが鳴ッている通りな彼になっている。
恐れわなないた宮司や道衆は、ぜひなくおろおろと、やがて秘門の扉へ、むらがり寄った。鉄槌から火バナが散り、石斧からは、異様な響きと匂いが立った。