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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

「あれだな」

燕青の眸は、任原だけしか見ていない。

さすが、ちから山を抜く、という形容も不当でなく、大力士らしい貫禄は充分だ。弟子どもに大汗を拭わせながら、床几でひと息ついている様子は、そのまま巨大な金剛像といってよい。

するうちに、弟子のひとりが、彼に何か耳こすりしていた。燕青の顔を見おぼえていた者だろう、任原は聞くやいな、やにわに、砂場の真ン中まで歩き出して来て、猛虎の吠えるようにこう言った。

「片腹痛いが、ことしは俺の牌を割った奴がある。健気な奴だと賞めておこう。あしたはきっと姿を消さずに出て来いよ」

そして、じろと、燕青の方をにらみ、大地も揺るげとばかりしこを踏んでみせた。

燕青は、さっさと、自分の宿へ帰って来た。顔を見ると、さっそくに、李逵は愚痴と不平で、とめどがない。

「もういけねえよ、もう辛抱はできねえよ、いったい、俺は何しに来たんだ」

「いや、あしたは、いよいよ奉納相撲。こんどは、柄になく、よく辛抱をしなすったね」

「じゃ、今夜一ト晩か。飲もうじゃないか」

「うん、飲むのもいいが、少しにしてくれ。はれのあしたを控えている身だ。俺は精進潔斎をしなけりゃならねえ」