Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

今はなすこともなし、ほかに職を探す意志も出ない。すでに復職の運動や賄賂のため、売る物は売りつくしていたし、明日の食にも困る窮状に追われてきた。

「そうだ、ここに祖先から伝わる一腰の名刀だけが残っている。これを売って、身寄りの老幼に頒け与え、あとを路銀として、どこか遠い他県へ行って、身の振り方でもつけようか」

その日。――彼は一剣を持ち出して、それに売り物の“草標児”をさげ、馬行街の四ツ辻に立っていた。

しかし、なかなか値段を訊いてくれる者さえない。そこで楊志は、午過ぎから天漢州橋のにぎやかな橋袂に河岸を変え、

「名刀の売り物だ。この稀代な宝刀。たれか眼のある人に譲りたいが」

と、道行く人々に、呼びかけていた。

すると、胸毛もあらわな大男が、ずかずかと彼の前へ近づいてきた。ぷウんと、酒気と油を交ぜたような体臭が鼻を衝く。――それを見るや往来の者はすぐ、

「そら、無毛虎が何か刀売りへ突っかかっていったぞ」

「毛無シ虎の牛二が、またなにか、因縁を付けるんじゃねえか」

と、囁き合って、もう辺りは人立ちの様子だった。

案の定。――無毛虎の牛二といわれる街の悪は、のッけから、楊志を見くびッて、からみ始めた。