Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
そしてこの頃から、名も、高とあらためた。毬の毛偏をとって、偏のに代えたのである。
そのうち、ある年のこと。――当主、王馬の誕生祝いとあって、ここの亭館には、華麗な車駕が門に市をなした。花の楼台には、楽手や歌姫がならび、玻璃銀盤の卓には、珍味が盛り飾られて、朝野の貴紳があらゆる盛装を競ッていた。中でも、一きわ目につく貴公子は、どういう身分のお人なのか、
「九ノ宮、九ノ宮」
と、宴の上座にあがめられた。そして王大将の家族や来賓の男女から、下へもおかぬ侍きをうけつつ、琥珀のさかずきに紫府の名酒が注がれるたび、しきりに、酔をすすめられている様子だった。
その上、この君の眉目の麗しさは、金瓶の花も、玉盤の仙桃の匂いも、色を失うほどであった。だから、やがてのこと。教坊府の妓女たちが、演舞の余興をすまし終ると、たちまち、彼女らの紅裙翠袖は、この貴公子のまわりへ争って寄りたかり、
「ま、端王さま。いつになく、お澄ましでいらっしゃいますこと」
「今日はご主客でしょうが、なにもそんなにまで、よそ行き顔をなさらないでも、およろしいでしょう。もすこし、お過ごしあそばしませな」