Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
さあさあ退いてくんな、退いてくんな。きょうはろくな日じゃねえようだ」
「まだ怒ッてるのかい。もう勘弁しなよ、謝るからさ」
「うるさいよ。お前さん方に謝ってもらう筋はないんだ」
「依怙地だな、ひどく」
「ああ依怙地だよ。悪かったね」
「あれだ。……こんなに、銭を集めて、拝むように頼んでるのに、罪だぜ、このまま置いてきぼりは」
「離さねえのか。困ったな。ええい、もう、そんなに飲みたけれやあ、勝手にさらせ」
「そうはいかないよ、銭五貫、それ、ここへおくぜ」
「五貫じゃないよ」
「えっ、値上げか」
「ばかにするない。残りの桶は、さっきの棗商人が、幾椀か手込めにして、飲んだらしいから、減った分だけ、値引きするしかしようがないじゃないか。四貫でいいよ。一貫文だけ銭を引ッ込めなよ」
「なるほど、正直もンだな、おめえさんは。いや見上げたよ」
近くに転がッていた椰子椀を拾って、兵たちはさあ順番だと、桶のぐるりに真剣な顔を集めた。
――舌つづみが鳴る。喉がキュッという。礼讃、嘆声、随喜のよだれ。まさに亡者に囲まれた天泉の図であった。
「やい、やい。先のやつは、もういい加減にしろ。執事さまをお後に廻しておくやつがあるもんか」