Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「お前らは、生き証人、場合によっては、当地の役署に残されるかもしれん。しかし、わしは夜を日についで、北京府に立ち帰り、かよう云々と、梁中書閣下にお告げする。当然、烈火のお憤りは知れたこと。ただちに、閣下から都の蔡大臣へ、お飛脚は飛ぶし、また済州奉行所へも、賊徒逮捕の厳令が下ッてくるに相違ない」
――ところで、一方の楊志はどうしたか。彼は自分の去った後において、こんな腹黒い相談が成っていたとは、夢にも知らない。
半ばまだ、ぼうとして、その夜は、どこをどう歩いたやら――。しかし、夜が明けてみれば、彼は黄泥岡を南へ降り、さらに道を南へと、あてどもなく歩いていた。
「さアて。しまった」
いったんは死ぬ気であったため、官の路銀、関手形、送り状、それらの一ト包みも、抛ったまま、身には一銭も持っていなかった。
「生きていれば、腹が減るものと、いま気がつくなんざ、滑稽だな。ま、どうにかなるだろう。乞食まではしなくても」
部落へかかった。いよいよ腹の虫が泣きせびる。で、盲目的に、
「ごめんよ」
とばかり、つい入ってしまったのだった。よくある田舎の飲屋である。愛相のいい女が出て来て註文を訊く。