Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「ま、あきれた。この通りだよ女ってものは。男に罪を着せまいとしてさ」
「婆さん、静かにしろよ。もうできちまったものは仕方がないやね」
「旦那も居直りなさるんですかえ」
「遠くて近きは何とやらだよ。この上は隣の武大に知れないよう、頼むは神様仏様、次いでは王婆様々だ。今日だけでなく極く内々に、この後の首尾もひとつたのむぜ」
「それはもう、知れたらこの婆だって、同罪でござんすものね。その代りに旦那え、一生末生、婆を大事に、お礼のほうもいいでしょうね」
「わかったよ、わかったよ。河豚と間男の味は忘れられない。ここで逢曳きするからには、わたしたちだけでいい思いをしているわけはないやね」
「じゃあ、この婆も腹をすえたとして。……金蓮さん、おまえも覚悟はしたろうね。これッきりじゃないんだよ」
「ええ、それはもうおばさん、こうなるからには私だって」
「倖せだよ、おまえさん」と、婆は彼女の背を一つ叩いて「これからは、間がな隙がな、可愛がっていただきなよ。……だけど、いくら頓馬の武大でも、勘づかれた日には事だからね。さ、今日はもう帰っておいで」
追うように、金蓮を裏口から帰してしまうと、婆はさっそく、西門慶から当座の大枚な銀子を褒美に受けとった。