Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「そいつあまた、どういうわけで」
「この九叔としては、納棺の判証は下せませんから、じつあ仮病をつかって逃げたんです。あとは子分委せとしましてね。だってもし、そのさい不審を申し立てれば、西門慶の手がまわって、こっちの馘は飛んじまうし、毒死の処置も、別な検死が出向いて揉み消されてしまうに違いありませんからね。……と、いう実あ苦肉の策で、わが家に一時引き籠っていましたが、それから三日後、手下の隠亡へ申しつけて、後日の証拠にこのお骨の一片を、こっそり盗ませておいたような次第。……都頭さん、これで一切はもうおわかりでございましょうが」
「いや、すまなかった」
深く、頭を下げて、武松は短刀をふところの鞘におさめ、
「……つまり下手人は、嫂の金蓮なんだな」
「それと、隣の王婆」
「砒霜は、何処から?」
「お手のものの生薬問屋。金蓮にやらせたのも、つまりはその男でしょう」
「情夫は西門慶か。むむ、すっかり読めた。とはいえ、もっと動かぬ生き証人は誰かいめえか」
「証人といやあ、世間みんなが証人ですがね、誰も西門慶をこわがって、噫にも公然とは口に出しません。そうだ、ご存知もありますまいが、果物売りの哥ッていう小僧に、なおよくお訊きなすってごらんなさい」