Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「では、どうしたらいいってえのか」
「お怒ンなすっちゃいけませんぜ。いっそ頭陀(蓄髪僧ノ事、行者トモ呼ブ)におなんなさいよ」
「なるほど」
「ずっと以前、ここで殺めた一人の頭陀の衣、帯、兜巾(細がねの鉢巻)、度牒。それに人間の白骨を玉として百八粒の数珠とした一ト掛まで、ちょうど、今日のためのように、そっくり仕舞いこんである」
すると、女房の母夜叉も言った。
「そうそう、それにまだ、凄く切れ味のよさそうな鮫鞘の戒刀までがありますしね。……そして行者作りに、髪も切りそろえ、額の金印(いれずみ)のとこは、前髪でかくし、もっと念入りに、小さい膏薬でも貼っておけば、おそらく、ちょっとやそっとじゃ、お尋ね者の武松さんとは見えますまい」
張青は手を打って、
「よく言った。さっそく、髪を剪って、切下げにして上げるがいい」
その夜から翌る日は、こっそり山家の内の別れの酒。張青はくれぐれ言った。
「人に意見がいえる柄じゃあねえが、どうか酒の上は慎んで、せっかくな出家姿の尻ッ尾を人中で出さないように気をつけておくんなさいよ。それに兄貴は、馬鹿正直に人のことばを信じすぎる。その辺も、どうか要心に要心して」