Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「おうっ。張の舟じゃあねえか」
と、すばやく鈎棒をひッかけて呼びかけた。
張と呼ばれたこなたの船頭は、ちょっとあわてたが、さりげなく、振り返って。
「や、李の兄貴か。ひでえなあ、今日は」
「なにがよ、張」
「だってよ、川上の仕事に、おいらを棄てて行きなすッたぜ」
「見当らなかったんだよ。だが、なにやら巧い仕事を、独りでたんまりせしめてるらしいから、それもよかったわけじゃねえか」
「おわらい草だ。じつあ、ここんとこ、女にゃ振られるし博奕にはすッからかん。やけ酒くらって今夜も葦を屏風にふて寝してるッてえと、この鴨三羽、自分のほうから舞いこンで来やがったのさ」
「そいつアよッぽど、どうかしてる鴨だなあ」
「もっとも、陸ではあの穆さんの兄弟に、なにか恨まれて追ッかけられて来たものらしい。……だが、チラと見るってえと、二人は端公、一人のほうは色の黒い江州送りの流刑人だ。そのくせ囚人のくせに首枷を外していやがる。ははん、こいつ銀を持ってやがるナと、そう睨んだので穆さん兄弟や若いのが、渡せ渡せと、岸でわいわい脅しゃあがったが、こっちも渡世と、とうとうお返し申さず仕舞いというわけさ」