Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
そっとしてお置きなさいまし。よろしいじゃありませんか」
「だって、あまり遅くなっても。……あ、わたしも何ですか、こう、少し酔ったみたい」
「ちょっと、こちらへ出て、風にお吹かれなさいませ。ここから先は、めったに、どんなお人も入れない所でございますが」
「ま。お静かですこと。まだ廊の先にお部屋があるんですの」
「私の部屋です」
「見せて。……いけません?」
「奥さまならば」
「嫌。……奥さまなんて。ねえ師兄さん、こないだの晩は、おまえといってくれたじゃありませんか」
煩悩の火は鉄も溶かす。ましてや以前は糸屋の若旦那とか。出家沙門となったのも、因は女からで、色の道と借金づまりの世間遁れ。――という前身の裴如海であってみれば、煩悩などは、今が今のものではない。女の良人楊雄の目を偸む恐ろしさは封じえないが、それにもまさる秘密な悦楽の唆りは熟れた果実のように巧雲の体から嗅がれる。巧雲もまた、いまは触れなば落ちん風情で、男の手へ。
「ごめんなさい、師兄さん。……わたし」
「おや、どうなすったえ」
「……なんだか。もう」
「そんなに飲みもしなかったのにね。いやすぐ醒めますよ。ちょっと、そこでお横になっては? ……ね、そうなさいよ」