Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
長浜城の足軽頭、木村大膳の手についている足軽で、どういうところから来た名まえか、市脚の久兵衛と名のる男だった。
けれど、町のものは、そんな面倒な呼びかたはしなかった。
禿久といっても、とら久といっても、あああの足軽かと誰も知っている。
その有名なのは、禿のためではなく、飲むと暴れるからだった。
ところが、
(おれが出世しないのは、この癖があるからよ。これさえやらなければ、五百石や七百石の士分にはなっているのだ)
と、彼自身、よく豪語するとおり、実際、その腕力にいたっては、へたな侍たちの及ぶところでなかった。
戦場での功名手柄も、かぞえきれないほどあると、彼が威張るのも、嘘ではないのである。
その証拠には、何をやっても、組頭の木村大膳は、知らん顔して、彼を重用しているのでもわかる。
また、町の奉行でも、
「また、禿久か」
訴えを聞くだけで、一こう懲らしてはくれない。
彼の武勲を知っているし、また組頭の木村大膳を憚っている加減もある。
だから、この虎は、いい気になって、ややもすると、横鬢の盃形の禿について、肩をいからすのである。
「これやあ、こう見えても、生れつきのものじゃあねえぞ。