Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんばし

日本橋

泉 鏡花

Lesen Sie 日本橋 (にほんばし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.697 Zeichen · 177 Bildschirme

Aozora Bunko

「ふられました。」

「ポーンと。」

「何もそうまで凹ますには当るまい。」

「嬉しいねえ。」

小児らしいまで胸を揺った、が、なぜか気が立って胸の騒ぐのを、そうして紛らしたようである。

葛木は、煙草の喫さしを火鉢に棄てた。

「それだがね……」

「まだ負惜み?」

「ただ話さ。」

と苦笑して、

「別れに献した盃を、清葉が、ちっと仰向くように、天井に目を閉いで飲んだ時、世間がもう三分間、もの音を立てないで、死んでいて欲しかった。私の胸が、この心が、どうなるかそれが試して見たかったが、ドシンばたん、と云う足音。隣室の酔客が総立ちになって、寝るんだ、座敷は、なんて喚いて、留める芸者と折重なって、こっちの襖へばたばたと当る。何を、と云ってね、その勢で、あー……開けるぞ、と思うと、清葉が、膝を支直して、少し反身で、ぴたりと圧えて、(お客様です。)

そう、屹として言ったんだよ。(誰だ。)と怒鳴ると、(清葉がお附き申しております。)と手に触った撥を握って、すっと立った――芸妓のひそめく声がして、がたがたとそこらが鳴って静まったがね……私は何だか嬉しかったよ。」

「情人らしく扱われたような気がして? そんな負惜みをお言いなさんなよ。