Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんばし

日本橋

泉 鏡花

Lesen Sie 日本橋 (にほんばし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.697 Zeichen · 177 Bildschirme

Aozora Bunko

露地の細路

十一

で俯向いて、こなたへのさのさと来掛った、と見ると、ふと頬被りの裡の目ばかり、……そこに立留まった清葉たちを見るや否や、ばねで弾かれたかと思う、くるりと背後向。方角をかえて河岸通へ、しかものそのそと着流しのぐなりとした、角帯のずれた結目をしゃくって行く。

出て来た処が稲葉家の露地であるだけ、お孝に憑いたあやかしと思う可厭な影の、角の電信柱で、フッと消えるまで、二人は、ものをも言わず見送っていたのである。

露地の細路

十一

昔と語り出づるほどでもない、殺された妾の怨恨で、血の流れた床下の土から青々とした竹が生える。筍の(力に非ず。)凄さを何にたとうべき。五位鷺飛んで星移り、当時は何某の家の土蔵になったが、切っても払っても妄執は消失せず、金網戸からまざまざと青竹が見透かさるる。近所で(お竹蔵。)と呼んで恐をなす白壁が、町の表。小児も憚るか楽書の痕も無く、朦朧として暗夜にも白い。

時々人魂が顕れる。不思議や鬼火は、大きさも雀の形に紫陽花の色を染めて、ほとほとと軒を伝う雨の雫の音を立てつつ、棟瓦を伝うと云うので。

小紅屋の奴、平の茶目が、わッ、と威して飛出す、とお千世が云ったはその溝端。