Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
Lesen Sie 日本橋 (にほんばし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.697 Zeichen · 177 Bildschirme
お孝は弛んだ伊達巻の、ぞろりと投遣りの裳を曳きながら、……踊で鍛えた褄は乱れず、白脛のありとも見えぬ、蹴出捌きで、すっと来て、二階の縁の正面に立ったと思うと、斜めにそこの柱に凭れて、雲を見るか、と廂合を恍惚と仰いだ瞳を、蜘蛛に驚いて柳に流して、葉越しに瞰下し、そこに舞扇を袖に受けて、見上げた清葉と面を合せた。
「ああ、お孝さん。」
と声を掛ける。
上で見詰めたなり、何にも言わず、微笑むらしいお孝の唇、紅をさしたように美しい。
そこへ、あとも閉めないでおいたと見える、開けたままの格子を潜って、顔を出したお千世は、一杯目に涙を湛えている。
乱れて咲いた欄干の撓な枝と、初咲のまま萎れんとする葉がくれの一輪を、上下に、中の青柳は雨を含んで、霞んだ袂を扇に伏せた。――
「清葉さんは楽勤め。」と茶屋小屋で女中が云う。……時間過ぎの座敷などは、(お竹蔵。)の棟瓦に雀が形を現しても、この清葉が姿を見せた験が無い。……替りには、刻限までだと、何時に口を掛けても、本人が気にさえ向けば、待つ間が花と云う内に、催促に及ばずして、金屏風の前に衣紋を露す。
但し約束は受けていても、参詣の帰途に眩暈がすると、そのまま引籠ること度々で。