Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんばし

日本橋

泉 鏡花

Lesen Sie 日本橋 (にほんばし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.697 Zeichen · 177 Bildschirme

Aozora Bunko

張も、意地も、全盛も、芸ももとよりあえて譲らぬ。否、較べては、清葉が取立てて勝身は無い。分けてむこうは身一つで、雛妓一人抱えておらぬ。

こなたは、盛りは四天王、金札打った独武者、羅生門よし、土蜘蛛よし、※々、狼ももって来なで、萌黄、緋縅、卯の花縅、小桜を黄に返したる年増交りに、十有余人の郎党を、象牙の撥に従えながら、寄すれば色ある浪に砕けて、名所の松は月下に独り、従容として名を得る口惜しさ。

弱虫の意気地なしが、徳とやらをもって人を懐ける。雪の中を草鞋穿いて、蓑着て揖譲するなんざ、惚気て鍋焼を奢るより、資本のかからぬ演劇だもの。

「字は玄徳め。」

と、所好な貸本の講談を読みながら、梁山泊の扈三娘、お孝が清葉を詈る、と洩聞いて、

「その気だから、あの妓は、(そんけん)さ。」

と内証で洒落た待合の女房がある由。

却説、言うがごとく、清葉の看板は滝の家にただ一人である。母親がある。それは以前同じ土地に聞えた老妓で、清葉はその実、養女である。学校に通う娘が一人。これには表むき、おっかさん、とおおびらに自分を呼ばせて、誰に、遠慮も気づかいも無い。

なお水菓子が好きだと云う、三歳になる男の児の有ることを、前の条にちょっと言ったが、これは特に断って置く必要がある、捨児である。