Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
Lesen Sie 日本橋 (にほんばし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.697 Zeichen · 177 Bildschirme
夜半に我が軒に棄てられたのを、拾い取って育てている。その児に乳母を選んで、附けて置く裕な身上。
土蔵がある、土蔵には、何かの舞に使った、能の衣裳まで納まったものである。
かつて山から出て来た猪が、年の若さの向う不見、この女に恋をして、座敷で逢えぬ懐中の寂しさに、夜更けて滝の家の前を可懐しげに通る、とそこに、鍋焼が居た。荷の陰で引飲けながら、フトその見事な白壁を見て、その蔵は?
「滝の家で。」
「たきの家?」
「へい、清葉姉さんの家でげすよ。」
や、これを聞くと、雲を霞と河岸へ遁げた。しかも霜冴えて星の凍てたる夜に、その猪が下宿屋の戸棚には、襲ねる衾も無かったのであった。
と、何の苦労も、屈託も無さそうなその清葉が、扇子とともに、身を震わした。
声もうるんで、
「お千世さん、姉さんが。」
と、二階に彳んで物言わぬお孝を、その妹に教えながら、お千世の泣顔を、ともに誘って、涙ぐんだ目で欄干を仰いで、
「私、……私よ、お孝さん。」
と二度目に呼んで声を掛けるや、
「葛木さん。」
と、冴えた声。お孝が一声応ずるとともに、崩れた褄は小間を落ちた、片膝立てた段鹿の子の、浅黄、紅、露わなのは、取乱したより、蓮葉とより、薬玉の総切れ切れに、美しい玉の緒の縺れた可哀を白々地。