Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんばし

日本橋

泉 鏡花

Lesen Sie 日本橋 (にほんばし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.697 Zeichen · 177 Bildschirme

Aozora Bunko

河童御殿

十八

萎えたように頬杖して、片手を白く投掛けながら、

「葛木さん。」

二度まで、同じ人の名を、ここには居ない人の名を、胸を貫いて呼んだと思うと、支えた腕が溶けるように、島田髷を頂せて、がっくりと落ちて欄干に突伏したが、たちまち反り返るように、衝と立つや、蹌踉々々として障子に当って、乱れた袖を雪なす肱で、しっかりと胸にしめつつ、屹と瞰下ろす目に凄味が見えた。

「ああ。」

「危いわ、姉さん。」

端近な低い欄干、虹が消えそうな立居の危さ、と見ると、清葉が落した色傘を拾っていたお千世が、小脇に取ったまま慌しく駆込んだのは、梯子を一飛びに二階へ介添。

「何だい、盗人猫のように、唐突に。」

と摺違いに毒気を浴びせて、ぬっと門口を覗いた、遣手面の茶缶阿婆。

「えへへ。」と笑う、茶色な前歯、金の入歯と入乱れて、窪んだ頬に白粉の残滓。

「まあ、滝の家のお姉様、どうぞこちらへ。……まあ、御全盛な貴女様が、こんな怪物屋敷見たような処へ、まあ、どうした風の吹廻しで。」

清葉はきりりと、扇子を畳んで、持直して、

「ちょっと、お茶を頂きに。」

河童御殿

十八

「ははあ、葛木ですかね、姓じゃね、苗字であるですね。