Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんばし

日本橋

泉 鏡花

Lesen Sie 日本橋 (にほんばし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.697 Zeichen · 177 Bildschirme

Aozora Bunko

栄螺と蛤

二十一

「貴下は太くその顔色が悪いですね。」

「……寒いのです。」

「寒い! 化物に逢ったのが、性分になって、そして今は寒い。いろいろに変化しますな。」

「まあ、君は、」と、足蹈で橋を刻んで焦れると、

「御都合で署へ御同行を願っても可いのです、が、御答弁によって、それまでに立到らない事を、紳士のために希望しますでなあ。」

「…………」

栄螺と蛤

二十一

「なにしろじゃね、本職の前で顔色が悪うて、震えておらるるのは事実じゃね、それはしかし寒いでも構わんです。

その寒いのにじゃね……先刻から、水に臨んで、橋の上に、ここに暫時立っていたのは、ありゃどういうわけですか。

勝手だ、酔覚しじゃと言わるるかも知れん。けれどもじゃね、見ておったぞ、どぶん! と音のした……」

水の面は暗かった。

「どぶん。」

ぎりぎりと靴を寄せつつ、

「川の中へ放棄し込んだ、……確に、新聞紙に包んだ可なり重量の有るものは、あれは何ですか。」

「ああ。」

前の世の罪ででもある事か、と自ら危ぶみ、惶れ、惑い、且つ怪んでいた葛木は、余りの呆気なさにかえって驚いたのである。

「その事ですか。」

「先ずそれを聞かんとならんですね。