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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

よろしいか。本校の生徒はみんな涙のある人間になってくれ。涙のある人間だけが、すべてを支配することが出来るんじゃ。」

と、演壇の端まで乗り出して来て言った時には、もうどう見ても、五年生にだけ話しているとしか思えなかった。

その時、五年生の中にはごく少数ではあったが、お互いに顔を見合って、変ににやにやしたり、傲然とのび上って、校長の顔をにらみ返すようなふうをしたりする者があった。次郎は、横からでよく見えなかったが、出来るだけ五年生の表情に注意していた。そして、何かしら、不安なものを胸の底に感じた。

式がすんだあと、教室で組主任からこまごまと注意があった。それでその日の予定は終りであった。ところが、組主任の先生は、自分の注意が終ったあと、気の毒そうな顔をして言った。

「五年生たちが、校風をよくするために、君らに雨天体操場に集まってもらって、何か話したいと言っている。これは毎年の例だ。間もなく誰かが迎えに来るだろうから、しばらくここで待っていてもらいたい。自分は今から職員会議があるから、その方に行く。」

そう言って先生はすぐに出て行った。残された新入生たちは、おたがいに顔を見合わせて默りこんだ。