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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

それは、昨日から、そんなかけ声を出さなくってもいいようになったからです。こんどの日曜には、もっとほかのかけ声を教えてください。さよなら。」

俊亮はわけがわからなくて、何度も読みかえした。運平老は、ひとりでにこにこしながら、

「な、どうです。なかなか要領を得とりましょうが。」

「はあ――」

「もうそんなかけ声を出さなくてもよいようになった、という文句には、まさに千鈞の重みがありますわい。」

「はあ。――しかし、私には、何のことだか、ちっともわかりませんが――」

「いや、なあるほど。こりゃ、あんたには、ちとわかりかねますかな、はっはっはっ。」

と、運平老は膝をゆすった。それから、急に真面目な顔をして、

「実を言いますと、わしはお芳を正木さんにお預けしたあと、次郎君との仲がどうだろうかと、そればかりが気になっていましてな。で、お芳に手紙を出して、わしも助太刀をしてやるから一度次郎君をこちらにつれて来い、と申し附けましたのじゃ。ところが、来てみると、二人の仲は案じたほどわるくない。こりゃあお芳にしては上出来じゃ、と思いましたわい。」

「そのことは、私の方にも正木から報らしてもらっていましたので、内心喜んでいたところです。