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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶそうせるしがい

武装せる市街

黒島 伝治

Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme

Aozora Bunko

手洟をかんで、指についた洟をそこらへなすりつけるのは平気になっていた。上に臍のついた黒い縁なし帽子をかむり、服も、靴も、支那人のものを着けている。爪を長くのばしているのも、支那人の趣味を真似たのだ。たゞ、一ツ、彼の気づかない欠点は、白眼と黒眼のさかいがはっきりしすぎている尖った眼だ。これだけは、職業と人種とをどうしても胡麻化すことが出来なかった。どんよりと濁っている支那人とは違っていた。裏から裏をこそ/\とつゝいて歩く職業は、ひとりでに形となって外部に現れた。

うぬぼれやの山崎は、自分の欠点を知らなかった。それについて面白い話がある。が、丁度、彼が作業場の入口へやってくると、そこへ幹太郎が、鼻のさきへ黄色いゴミをたまらして内部から出て来た。幹太郎は急ににこ/\笑って何か云った。

「何だね?」と山崎はきいた。

「とても面白い種ですよ。」

「何だね?」

「すぐ云いますがね。――云ったら、情報料をくれますか? 五円でいゝですよ。たった五円でいゝですよ。」

「出すさ、物によっちゃ出すさ。」

「呉れなけりゃ、山崎さん、儲かりすぎて、金の置き場に困るでしょう。」

山崎は、唇から気に喰わん笑いをこぼした。