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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶそうせるしがい

武装せる市街

黒島 伝治

Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme

Aozora Bunko

特曹は、訓練所出の一群を指さした。「高取! もっとしッかり麻袋にドロをつめる!」

「特務曹長殿! この袋の鼠の喰った穴はどうするんでありますか。藁を丸めてつめて置きましょうか?」

「うむ、うむ、そうしろ。」

口の曲った特務曹長は、同じ訓練所出の松下に、満足げに頷ずいて見せた。

又、ほかのが、向うの方で、何か、ゴマすっていた。

それを、聞きのがさなかった高取は、苦笑を繰りかえしていた。(見えすいている!)

一時間十五分の後、命令された通りの巨大な防禦設備が出来上った。これなら、鬼でも来ろだ。

兵士たちは、くた/\になって宿舎へかえった。ドロまみれの手も、鼻も、頸も洗えなかった。水がなかった。昼食喇叭が鳴り渡る。向うの蛋粉工場からも、呼応して鳴り渡る。

「支那ちゅうところは、まだ四月だのに、もう七月のような陽気だなあ。……ああ、弱った弱った、暑いし、腹はぺこぺこになりやがるし。……」

飯盒にわけられた、つめたい飯をかきこんだ。

「どいつもこいつも、水筒が、みんなからっぽだな。――当番! おい、お湯はないんか? お湯はないんか?」

炊事当番はシャツの上に胸掛前垂をあてゝ、テンテコまいをしていた。