Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
まるで嘘のような話です。ハハハ……」
その磊落そうな響も、木下にはなにかうそ寒くかんじられた。朗読はさらに続けられた。
「大雪十一月の節に至りますと、大根や牛蒡や葱、芋杯が多く取れました。この芋などは、人々いずれも野中又は道路の端などに穴を掘りまして、これに馬つけ五駄も七駄も入れておきました。一戸にはこの塚が三つも四つも五つもござりますから、銘々に我家の印や名字などを、その上にしるしまして、これに麦種を蒔入れておきまする。来春に相成りますと、その麦が青々と生えまして、心覚になりましたほどのものでござりましたが、只今に至りましては、鉱毒のため、芋が取れませんからどこを歩きましても、この塚がござりません。……大寒十二月の節に相成りますると、貉や狐などが人家軒端や宅地などを多くめぐり歩きました。貉はガイガイガイと鳴き、狐はコンコンコンと鳴く、ケインケインケインと鳴くもありました。屋敷まわりなどに、人参など土に埋めおきますると、掘り出して喰うものでござりましたが、鉱毒のため野に鼠もおらず、虫類も無く、魚類も少なき故なるべし、二十歳以下の青年は御存じありますまい。