Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つばくろ(つばくろ)

燕(つばくろ)

山本 周五郎

Lesen Sie 燕(つばくろ) (つばくろ(つばくろ)) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.395 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

んだぞ」

「おれがその忍耐をしなかったか」

「渡貫ひとりじゃあない、おれだって同じように忍耐して来たぜ」

「ではいまの、あの連中の」と渡貫は湖畔のほうへ片手を振った、「――あの軽薄な連中のことをどう思う、あれが藩政改革という、大事に当面している者のふるまいか」

「今日は年に一度の茸狩りだよ」

「茸狩りであろうと桜狩りであろうと、大事を計っている人間なら、論ずべきことはまじめに論ずべきだ、それを、――いや」と彼は強く首を振った、「おれはかれらが娘たちにさそいかけたり、ひそかにしめし合せて、どこかで密会しようとすることを非難するんじゃない、そんな個人的なことはどっちでもいいんだ、おれが肚に据えかねるのは、かれらの本心のあいまいさ、当面している大事に対する無誠実さだ」

「こういう問題では、たいていの場合がそんなものじゃあないのか」

「そうだろう」渡貫は呼吸をしずめ、空へ眼をやりながら云った、「おれもこれまではそう思っていた、事をはやまってはならない、一人の力でできる事ではない、なかまの力を結集し、藩ぜんたいの気運にまでもりあげるのが先だと思った、けれども、いまかれらと話してみて、そんな悠暢な方法ではなにごともできない、ということがわかった」