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Japanische Klassiker mit Furigana

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ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lesen Sie 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.213 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

簪、櫛の紋、はこせこ、帯留、何か手がかりとなる一品でもないかと検めてみたが、装身具は、すべてり取ってあって、素性を暗示するものは、一点もない。

一つ、短刀であるが、それは道具屋にでも、ざらに転がっているような物で、何らの特徴もなかった。ただ――幾度見ても、つくづく嘆息の禁じ得ないのは、女の美貌なことである、死顔とはいえ、実に美しい、肌といい、眉目といい、麗玉のようだ、もし、これで生きていたら――と、思わずにいられない。

奉行は、ここで退席した。

そして、この事件の専役を東儀与力に命じた。同時に、八弥と耀蔵も、力を協せて、一日もはやく下手人を召捕るように言い渡された。

「幾歳だろう、女は」

東儀与力は、腰をすえて、考えこんだ。

「十九か、二十歳ぐらいに見えますが」

「ウム、おれもその辺に見当をつけているが、身分は、何者だろう」

「さあ、髪はこわしてあるし、帯はないし、当りがつきませぬが、ただどこか上品な面影があるように見うけますが」

「いかにも、公卿の娘といっても、恥しくない」

「ことによると、どこかご大身の方の寵妾ではないでしょうか」

「鎧櫃に入れてかつぎ出された点からみても、武家屋敷だという推量はつく」