Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme
泉の噴水は、いつものようにおのずから溢れてふき上げながらその風で漣立って、水の頂きを風の方向にふきなびかせられている。秋の情緒ですね。美しい寂寥があります。風にふかれつつ光る水の色などに。
きょうは午後、『朝日新聞』で会がありますが電報でことわって出ません。そんな風に気をつけ、余りよみかきせず、三四日休んだらいいでしょう。ごちゃごちゃして御免なさい。ズーっと力をこめて一定に引かれていた線が、突然ゆれて力がぬけたみたいで、きっとあなたも「甚だ妙」でいらしたでしょう、私だって駭然としたのですから。こういう疲れかたは、おどろきを伴うのよ、特に「あら私目がまわる」と云ってすぐそこでつかまる手がない生活のなかで。この気分おわかりになるでしょうか。そこに手があってそれにつかまれれば、つかまったそのことで、もう疲れのいくらかは癒るのよ。これもお分りになるでしょう? 私の場合は大層な大所高処からの見解で、うっかりつかれたというと、それは通用しないのだから大したものねえ。全く大したものねえ。でも、疲れないようにいくらしたって疲れたとき、私はやっぱりそれをあなたに向って表現するしかないでしょう? それが自然なのもお分りになるでしょう? 国府津のことはもう考えていませんから。