Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
英語がむずかしかったことなどをも知らせて来た。郵便脚夫は毎日雨にぬれて山門から本堂にやって来る。若い心にはどのようなことでもおもしろい種になるので、あっちこっちから葉書や手紙が三四通は必ず届いた。喝!――と一字書いた端書があるかと思うと、蕎麦屋で酒を飲んで席上で書いた熊谷の友だちの連名の手紙などもある。石川からは、相変わらずの明星攻撃、文壇照魔鏡という渋谷の詩人夫妻の私行をあばいた冊子をわざと送り届けてよこした。中にも郁治から来たのが一番多かった。恋の悩みは片時もかれをして心を静かならしめることができなかった。郁治はある時は希望に輝き、ある時は絶望にもだえ、ある時は自己の心の影を追って、こうも思いああも思った。清三の心もそれにつれて動揺せざるを得なかった。自己の失恋の苦痛を包むためには、友の恋に対する同情の文句がおのずから誇大的にならざるを得なかった。――独りもだゆるの悲哀は美しきかな、君が思ひに泣かぬことはあらじ――わざと和文調に書いて、末に、「この子もと罪のきづなのわなは知らず迷うて来しを捕はれの鳩」という歌を書きなどした。浦和の学校にいる美穂子の写真が机の抽斗しの奥にしまってあった。