Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

二十九

清三も昔一度行ってみたことがある。見世物、露店――鰐口の音がたえず聞こえた。ことに、手習いが上手になるようにと親がよく子供をつれて行くので、その日は毎年学校が休みになる。午後清三が宿直室で手紙を書いていると、参詣に行った生徒が二組三組寄って行った。

二十九

発戸には機屋がたくさんあった。市ごとに百反以上町に持って出る家がすくなくとも七八軒はある。もちろん機屋といっても軒をつらねて部落をなしているわけではない。ちょっと見ると、普通の農家とはあまり違っていない。蠶豆、莢豌豆の畑がまわりを取り巻いていて、夏は茄子や胡瓜がそこら一面にできる。玉蜀黍の広葉もガサガサと風になびく。

けれど家の中にはいると、様子がだいぶ違う、藍瓶が幾つとなく入り口の向こうにあって、そこに染工職人がせっせと糸を染めている。白い糸が山のように積んであると、そのそばで雇い人がしきりにそれを選り分けている。反物を入れる大きな戸棚も見える。

前の広庭には高い物干し竿が幾列びにも順序よく並んでいて、朝から紺糸がずらりとそこに干しつらねられる。糸を繰る座繰りの音が驟雨のようにあっちこっちからにぎやかに聞こえる。