Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
五
多くはこけら葺の古い貧しい家並みである。馬車屋の前に、乗合馬車が一台あって、もう出るとみえて、客が二三人乗り込んでいた。清三は立ちどまって聞いたが、あいにくいっぱいで乗せてもらう余地がなかった。
清三の姿はなおしばらくその裏町の古い家並みの間に見えていたが、ふと、とある小さな家の大和障子をあけてはいって行った。中には中年のかみさんがいた。
「下駄を一つ貸していただきたいんですが……、弥勒から雨に降られてへいこうしてしまいました」
「お安いご用ですとも」
かみさんは足駄を出してくれた。
足駄の歯はすれて曲がって、歩きにくいこと一通りでなかった。駒下駄よりはいいが、ハネはやっぱり少しずつあがった。
かれはついに新郷から十五銭で車に乗った。
五
家は行田町の大通りから、昔の城址のほうに行く横町にあった。角に柳の湯という湯屋があって、それと対して、きれいな女中のいる料理屋の入り口が見える。棟割長屋を一軒仕切ったというような軒の低い家で、風雨にさらされて黒くなった大和障子に糸のような細い雨がはすに降りかかった。隣には蚕の仲買いをする人が住んでいて、その時節になると、狭い座敷から台所、茶の間、入り口まで、白い繭でいっぱいになって、朝から晩までごたごたと人が出はいりするのが例であるが、今は建てつけの悪い障子がびっしゃりと閉