Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
六十
と言ったことを悔いた。
その二里の街道には、やはり旅商人が通ったり、機回りの車が通ったり、自転車が走ったりしていた。尻をまくって赤い腰巻を出して歩いて行く田舎娘もあった。もう秋風が野に立って、背景をつくった森や藁葺屋根や遠い秩父の山々があざやかにはっきり見える。豊熟した稲は涼しい風になびきわたった。
幌をかけた車はしずかに街道をきしって行った。
七色の風船玉を売って歩く老爺のまわりには、村の子供がたかっていた。
六十
寺の和尚さんが鶏卵の折りを持って見舞いに来た。
和尚さんもしばらく会わぬ間に、こうも衰弱したかとびっくりした。
わざと戦争の話などをする。
「旅順がどうも取れないですな」
「どうしてこう長びくんでしょう」
「ステッセルも一生懸命だとみえますな。まだ兵力が足りなくって第八師団も今度旅順に向かって発つという噂ですな」
「第九に第十二に、第一に……、それじゃこれで四個師団……」
「どうもあそこを早く取ってしまわないんではしかたがないんでしょう」
「なかなか頑強だ!」
と言って、病人は咳嗽をした。
やがて、
「遼陽のほうは?」
「あっちのほうが早いかもしれないッていうことですよ。