Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
十六
十七
十六
暑いある日の午後、白絣に袴という清三の学校帰りの姿が羽生の庇の長い町に見えた。今日月給が全部おりて、懐の財布が重かった。いま少し前、郵便局に寄って、荻生君に借りた五十銭を返し、途中で買って来たくず餅を出して、二人で茶を飲み飲み楽しそうに食った。「どうも、これも長々ありがとう」と言って、二月ほど前から借りていた鳥打ち帽を取って返した。
「まだいいよ、君」
「でも、今日夏帽子を買うから」
「買うまでかぶっていたまえ、おかしいよ」
「なアに、すぐそこで買うから」
「足元を見られて高く売りつけられるよ」
「なアに大丈夫だ」
で、日のカンカン照りつける町の通りを清三は帽子もかぶらずに歩いた。通りに硝子戸をあけ放した西洋雑貨商があって、毛糸や麦稈帽子が並べてある。
清三は麦稈帽子をいくつか出させて見せてもらった。十六というのがちょうどかれの頭に合った。一円九十銭というのを六十銭に負けさせて買った。町の通りに新しい麦稈帽子がきわだって日にかがやいた。
十七
美穂子は暑中休暇で帰って来た。
その家へ行く路には夏草が深く茂っていた。里川の水は碧くみなぎって流れている。蘆の緑葉に日影がさした。