Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
蛙の声がそこにもここにも聞こえ出した。
ところどころの農家に灯がとぼって、唄をうたって行く声がどこか遠くで聞こえる。
かれはじっと立ちつくしていた。
ふと前の榛の並木のあたりに、人の来る気勢がしたと思うと、華やかに笑う声がして、足音がばたばたと聞こえる。小川屋に弁当と夜具を取りに行った小使が帰って来たのだと思っていると、夕闇の中から大きな夜具を被いた黒い影が浮き出すように動いて来て、そのあとに女らしい影がちょこちょこついて来た。
小使は室のうちにドサリと夜具を置いて、さも重かったというように呼吸をついたが、昼間掃除しておいた三分心の洋燈に火をとぼした。あたりは急に明るくなった。
「ご苦労でした」
こう言って、清三が戸内にはいって来た。
このとき、清三はそこに立っている娘の色白の顔を見た。娘は携えて来た弁当をそこに置いて、急に明るくなった一室をまぶしそうに見渡した。
「お種坊、遊んでいくが好いや」
小使はこんなことを言った。娘はにこにこと笑ってみせた。評判な美しさというほどでもないが、眉のところに人に好かれるように艶なところがあって、豊かな肉づきが頬にも腕にもあらわに見えた。