Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
た村にも辛い悲しいライフがあるのを発見した。地主と小作人との関係、富者と貧者のはなはだしい懸隔、清い理想的の生活をして自然のおだやかな懐に抱かれていると思った田舎もやっぱり争闘の巷利欲の世であるということがだんだんわかってきた。
それに、田舎は存外猥褻で淫靡で不潔であるということもわかってきた。人々の噂話にもそんなことが多い。やれ、どこの娘はどうしたとか、どこのかみさんはどこの誰と不義をしているとか、誰はどこにこっそり妾をかこっておくとか、女のことで夫婦喧嘩が絶えないとか、そういうことがたえず耳を打つ。それに、そうした噂がまんざら虚偽でないという証拠も時には眼にもうつった。
かれは一日、また利根川のほとりに生徒をつれて行ったが、その夜、次のような新体詩を作って日記に書いた。
松原遠く日は暮れて
利根のながれのゆるやかに
ながめ淋しき村里の
ここに一年かりの庵
はかなき恋も世も捨てて
願ひもなくてただ一人
さびしく歌ふわがうたを
あはれと聞かんすべもがな
かれは時々こうしたセンチメンタルな心になったが、しかしこれはその心の状態のすべてではなかった。